Zoom webセミナー
理学療法のルーツを知るセミナー
日時
2024年4月21日(日) 10:00〜12:30(予備時間12:40まで)(9:45〜Zoom受付開始)
定員・参加費・最小催行人数
定員30名(最小催行人数は10名) / 参加費4,500円
対象職種
PT / OT / ST / その他
講師
渡邊 宏樹
湘南藤沢徳洲会病院リハビリテーション室長
秋田大学医療技術短期大学部理学療法科卒業
神奈川県立保健福祉大学大学院保健福祉学研究科修了(リハビリテーション学修士)
立命館大学大学院先端総合学術研究科在学中(博士課程)
呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士、心不全療養指導士
Knowledge Link代表
概要
なぜ「Physical」を「理学」と訳したのか。
極論すればこれを知るためのセミナーです。
普通「Physical」を訳すとき、「身体的な」とか「肉体的な」とかが一般的だと思います。
あるいは「物理的な」などでしょうか。そう考えると「Physical Therapy」を「理学療法」と訳すのは少し不自然です。
なぜこのような不自然な日本語に訳されたのでしょうか?
江戸末期〜明治維新に遡り、その理由を紐解きます。
理学療法士としてのアイデンティティーを確立するためにはルーツを知ることが大事です。
理学療法のルーツを知ることは、理学療法がどのように成り立ち、発展してきたのかを理解することです。そして、その発展の過程に影響を与えた重要な出来事や人物を知ることです。過去の理学療法の先人たちが直面した課題や困難、そしてその克服に関する知識を得ることで、自らの役割や責任をより明確に認識することができます。理学療法士としてのアイデンティティや使命感を高めるためにルーツを知ることは不可欠です。
例えば、なぜ開業できないのか、なぜ名称独占なのか、ほとんどの療法士は説明できません。
ほんの一例ですが例えば、理学療法士にはなぜ開業権がないのか、なぜ理学療法士は名称独占なのか。
そのルーツを知らなければ、開業権を獲得する意味や、名称独占ではなく業務独占になることの意味を理解することはまず無理です。
例えば、理学療法「評価」が、法律が定義する理学療法士の業務内容から削除された理由はなにか。
理学療法士及び作業療法士法では、その業務内容として理学療法評価が削除されています。理学療法評価は法律上、理学療法士の仕事ではないことになっています。原案にはあったはずの「評価」が削除された理由とは何か。紐解きます。
理学療法の未来を良くするための示唆として、理学療法のルーツを知ることが重要です。
リハビリテーションの近代史を学ぶことは、「そもそもどこから始まったのか」「なぜこの方法が出来上がったのか」を学ぶことです。さらに言えば、「どの方法が衰退して」「どの方法が進化したのか」を知ることでもあります。
今いる場所から一歩先に進む為には、そして、さらに深く理解する為には、これらを理解することが必要です。
リハビリテーションの近代史は昔ばなしなどでは無く、むしろ未来への道しるべとでも言うべき知識です。
理学療法を教える立場の人々にこそ知ってもらいたい知識です。
これから理学療法を学ぶ人にも、すでに理学療法を生業にしている人にも、そして今、理学療法を教えている人にこそ、ぜひ知ってもらいたい知識です。
セミナー内容
現代の理学療法を形作るルーツにはいくつかの系統があります。それらが絡み合って現代の理学療法を形作っています。
このWebセミナーでは、それらのルーツを一つずつ紐解いていきます。
研修会内容は以下のとおりです。
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①もともとは物理療法から始まった理学療法。東大に物理療法学教室が誕生します。この歴史を知ることで「Physical」がなぜ「理学」と訳されたか理解することができます。
②整形外科、小児療育として始まった理学療法。整形外科手術後の治療体操やマッサージを理学療法の起源とする考え方です。これらの治療を担った「術手」がのちの理学療法士です。理学療法士に開業権が無いのはなぜか、名称独占なのはなぜか、ここで紐解かれます。
③結核の治療法としての理学療法。かつて世界的に猛威をふるい死の病として恐れられた「結核の治療」として運動療法が行われました。これは現代でいえば呼吸理学療法。しかし当時はこれを「結核の作業療法」と呼んでいました。
④理学療法士及び作業療法士法がどのように作られたのか
⑤Physical Therapyが理学療法、Occupational Therapyが作業療法と、2度の多数決で命名された経緯
⑥開業権がないことの意味、そして、名称独占(理学療法士でない者が理学療法を行えること)の意味
⑦理学療法の未来