Zoom webセミナー
PT・OT・STのための
リハビリテーションの近代史セミナー。
お申し込みフォームは最下段にございます
日時
2021年8月15日(日) 10:00〜12:40(予備時間13:00まで)(9:45〜Zoom受付開始)
定員・参加費・最小遂行人数
定員:30名程度 / 参加費:4,500円(税込) / 最小遂行人数:10名
対象職種
PT / OT / ST / その他
講師
渡邊 宏樹
湘南藤沢徳洲会病院リハビリテーション室長
秋田大学医療技術短期大学部理学療法科卒業
神奈川県立保健福祉大学大学院保健福祉学研究科修了(リハビリテーション学修士)
立命館大学大学院先端総合学術研究科在学中(博士課程)
呼吸療法認定士、心臓リハビリテーション指導士
Knowledge Link代表

概要
事実、療法士はリハビリテーションのルーツをあまり知らない。
現代のリハビリテーションを形作るルーツにはいくつかの系統があります。
物理療法や、整形外科系のリハや、小児療育の一翼としてのリハ、呼吸器リハ。
他にも、かなり細かないくつものルーツがあり、それらが合流して現代のリハビリテーションを形作っています。
実際のところ、多くの療法士はそのルーツを知りません。
リハビリテーションの近代史は、単なる昔ばなしではない。
リハビリテーションの近代史を学ぶことは、「そもそもどこから始まったのか」「なぜこの方法が出来上がったのか」を学ぶことです。さらに言えば、「どの方法が衰退して」「どの方法が進化したのか」を知ることでもあります。
今いる場所から一歩先に進む為には、そして、さらに深く理解する為には、これらを理解することが必要です。
先人たちの足跡。
病む人を癒したい。
先人たちのその純粋な想いが、彼らを突き動かし、命懸けで海を渡らせ、途方もない努力を可能にし、未開の領域を開拓する原動力になりました。
努力が身を結び現代に残って進化を続けているもの、残念ながら途中で退化し消えて無くなったもの、融合し形を変え新たな価値を生み出しているものなど、様々です。
私たちの進むべき道を教えてくれている。
リハビリテーションの近代史は、私たちがこれからどのような領域と接近すべきか、どの様な領域で必要とされ、どの様な能力が求められるかを指し示してくれます。
リハビリテーションの近代史は昔ばなしなどでは無く、いわば未来への道しるべとでも言うべき知識です。
セミナー内容
現代の理学療法を形作るルーツにはいくつかの系統があります。
物理療法や、整形外科系のリハや、小児療育の一翼としてのリハ、呼吸器リハなどがその端緒です。
このWebセミナーでは、それらのルーツを一つずつ紐解いていきます。
研修会内容は以下のとおりです。
================================
①物理療法から始まったリハビリテーション
明治から大正にかけて、ヨーロッパに留学した数少ない医師たちにより日本に持ち込まれた物理療法が試みられ始めます。このころの物理療法とは、水治療法であり、温熱療法であり、超短波療法であり、マッサージなどです。またこのころは放射線治療も物理療法に含まれていました。
同じころ、アメリカでも物理療法が試みられ始め、一足先にアメリカ物理療法はリハビリテーションと合流します。
第二次大戦後、日本はアメリカ医学の影響を受け物理療法は理学療法に取り込まれていきます。このあたりの紆余曲折を紐解きます。
================================
②整形外科領域、小児領域のリハビリテーションはじめの一歩
大正時代、東大医学部の医師高木憲次らにより、手術後の治療体操やマッサージを担わせる「術手」が育成されます。看護婦や体操教師の他、それまで按摩師として働いていた盲人などもこれにあたるようになります。
また、高木はそれまで座敷牢に閉じ込められ世間から隔離されていた肢体不自由児(この言葉を作ったのも高木憲次)を集め、療護施設「整肢療護園」を開設し、療育(教育と治療)を開始します。これらは整形外科領域の、あるいは小児領域のリハビリテーションの端緒と考えることが出来ます。これらの紆余曲折を紐解きます。
================================
③呼吸リハビリテーションのはじめの一歩
かつて世界的に猛威をふるい死の病として恐れられた「結核の治療」の中に呼吸リハビリテーションのヒントが隠されています。さらに言えば内科系疾患に対する運動療法の最初の一歩とも言えます。大正時代に一旦下火になった結核に対する「呼吸リハ」は、昭和に入って「結核の作業療法」という名前になって再登場し、そこから、現代の呼吸リハに近い形に変化していきます。当時の世界の呼吸リハと対比させながら、このあたりの紆余曲折を紐解きます。